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千手 智晴*; 磯田 豊*; 荒巻 能史; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 久万 健志*; 森 康輔*
Proceedings of 12th PAMS/JECSS Workshop, p.3_4_1 - 3_4_4, 2003/11
研究船白鳳丸KH03-3次航海(2002年10月14日19日)で、日本海,日本海盆から大和海盆にかけて底層付近の水塊構造を観測した。大和海盆の底層付近では、日本海盆に比べて水温,溶存酸素濃度が高いことから、両海盆間には底層フロントが形成されていたことがわかった。また、大和海盆の底層における溶存酸素と栄養塩濃度は、日本海盆の底層におけるそれに比べて低いことから、大和海盆の底層付近の海水は、日本海盆に比べて古いことがわかった。これらの結果から、大和海盆と日本海盆では海水の循環が独立しており、大和海盆-日本海盆間の底層フロントの形成によって、高温の大和海盆の海水が低温の日本海盆の海水上に流出するという、「沿岸型循環」が大和海盆北縁の底層に存在することが示唆された。日本海盆の南縁で観測された最も高濃度の溶存酸素を持つ底層水は、日本海盆の底層を西から東に海水が輸送されていたと考えることができる。